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グリーンファイナンス
日本は、脱炭素プロジェクトへの投資を促進し、グリーン経済への移行を加速させるため、早ければ来年度にも新しい債券を発行することを目指すと発表した。政府の草案によると、日本は二酸化炭素を排出した際に、汚染者に支払いを求める制度、つまりカーボンプライシングからの収入を債券の償還に充てる予定である。草案には、中小企業や他のアジア諸国に対する脱炭素化支援を強化する措置も盛り込まれた。
カーボンニュートラル
日本経済新聞社がまとめた「2022年持続可能な開発目標管理調査」では、温室効果ガスの排出をほぼゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すと宣言した企業が53.3%に上った。前回調査より約2割増加した。
【本文】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC070WD0X01C22A1000000/
グリーンファイナンス
11月29日のGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議において、経済産業省は、脱炭素化推進のための政府投資資金として「GX経済再生債」を発行し、その償還資金として「炭素価格プログラム」を承認した。現在、企業や家庭が直面している石油、石炭、再生可能エネルギーによる税負担を考慮すると、炭素税の徴収と炭素取引が完全に運用されるのは2030年までと予想する。そのため、GX経済再生債を財源とする脱炭素化投資と、カーボンプライシングによる債券の償還にはタイムラグがある。日本政府が20年間で20兆円の国債を償還するためには、年間1兆円の歳入が必要であり、これは炭素税をCO2トン当たり1,000円にすべきことを示し、諸外国の価格と比較して大幅に低くなっている。そのため、2050年までにカーボンニュートラルを達成できるかどうかについては、懐疑的な人が多い。
【本文】
https://news.yahoo.co.jp/articles/96d2df155d4d084a9c79bdadd849a27d4614be28
脱炭素技術
兵庫県の環境機器メーカーである株式会社タクマは、木質バイオマス発電所などの環境事業を推進するため、本社を「木のビル」にした。木造の建物は、鉄やコンクリートでできた建物よりもCO2の排出量が少なく、木が1年間に吸収するCO2の量も40〜50歳でピークを迎えると言われている。そのため、木を伐採して苗木を植えれば、より多くのCO2を吸収することができる。また、木材はバイオマス発電の燃料としても利用できる。兵庫県では、伐採後に山に残った未利用木材の先端や根を利用して発電するビジネスモデルを検討している。
【本文】
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202212/0015865370.shtml
脱炭素技術
日本の三菱重工業(MHI)は、エクソンモービル社と提携し、MHIの二酸化炭素回収技術をエクソンモービルのエンドツーエンドの炭素・貯留ソリューション(CCS)に使用する予定である。このベンチャーは、日本の関西電力株式会社(KEPCO)の支援を受ける予定であり、この技術は、排出量の多い産業顧客向けのCO2回収コストを削減することを目的としていると、両社は付け加えている。
再生可能エネルギー
産業省の資料によると、3月までの1年間に日本の電力に占める再生可能エネルギーの発電量は20.3%で、前年度より0.5ポイント上昇し、初めて20%を超えた。日本は2030年度までに再生可能エネルギーの比率を36%から38%にする目標を掲げているが、「容易に達成できない」と指摘する人もいる。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/11/25/business/renewables-electricity-share-fiscal-2021/
観点
気候金融 【ジャパンタイムズ】
国連は自然保護融資を後押しするため、生物多様性クレジットを支持している。約17兆円を代表する100以上の金融機関が、2015年のパリ協定に類似した取り決めとして、この10年末までに自然の損失を留保する効果的な対策を支援するよう、世界の指導者に呼びかけた。金融部門は、自然保護への取り組みに対する年間7000億ドルの資金ギャップを埋めるための明確な方法を見つけるのに苦労しており、測定可能、追跡可能、取引可能な生物多様性の単位であるバイオクレジットは、その方法を提供するのに役立つかもしれない。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/12/06/business/biodiversity-credits/
省エネ・排出削減 【ジャパンタイムズ】
先月エジプトで開催されたCOP27で、日本は石油、ガス、石炭プロジェクトの主要な公的資金提供国であるとして「化石賞」を授与された。一方で、公共交通機関の普及や節電への積極的な取り組みなど、日本の技術的ノウハウやエネルギー効率は、他の国にとって見習うべき良い手本となり得る。しかし、日本の気候変動に関する実績は、バラ色とは言い難い。資源に乏しい日本は、石炭をはじめとする化石燃料に大きく依存し続けている。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/12/04/national/japan-climate-change-leader-laggard/
省エネ技術 【Japan Forward】
カーボンニュートラルは、事業戦略上、不可欠な要素となっている。例えば、自動車メーカーのダイハツでは、塗装工程を自動化するためにロボットを導入している。この技術革新により、塗装ブース内の空気の50%を再利用できるようになり、二酸化炭素排出量の削減に直結している。ダイハツでは、この最適化により製造時間が30%短縮されると試算している。また、再生可能エネルギーの導入と合わせて、2025年には2013年比で58%のCO2排出量削減を見込んでいる。
【本文】
https://japan-forward.com/carbon-neutrality-and-branding-why-companies-are-eager-to-get-involved/
グリーン・エコノミー 【アップストリーム】
オーストラリアのdeepC Storeと日本の関西電力は、日本の関西電力の発電所から100万~1000万TPAの液化CO2を回収し、deepC Storeの主力プロジェクトである洋上浮体式CCSハブ「CStore1」に輸送するサプライチェーンの構築を検討している。両社は、提案されているプロジェクトの商業的実現可能性を評価し、これに関する商業的条件を交渉するための共同研究契約を締結した。
気候変動対策関税 【ジャパンタイムズ】
米国とEUは、炭素排出と世界的な過剰生産能力との戦いの一環として、中国の鉄鋼とアルミニウムに対する新たな関税を検討している。通常、この動きは貿易摩擦で使用されるが、気候の議題を促進するための新しい方法となっている。この新しい枠組みは、昨年の関連する米国とEUの合意に基づくもので、主に世界最大の炭素排出国であり鉄鋼とアルミニウムの生産国である中国を対象としている。特に、両国が協力して気候変動と戦うことを約束している今、この関税計画は北京とワシントンの間の溝を深めるかもしれない。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/12/06/world/us-eu-climate-tariffs-china/
解釈
【排出削減技術】大気中の二酸化炭素を回収する新技術、日本で試験運用へ
日本の2つの企業が、大気中から二酸化炭素を取り出すという気候変動に関する課題に、新しい視点で取り組んでいる。名古屋に本社を置く日本ガイシ株式会社は、主に自動車の排ガスを浄化するために使用されるセラミック触媒であるハニーセラムを用いて、大気中の二酸化炭素を直接回収することに取り組んでいる。また、名古屋に本社を置く東邦ガスは、液化天然ガスターミナルに設置可能な直接空気捕集技術に取り組んでいる。
【グリーンエネルギー】EUと日本、水素に関する協力を強化
EUと日本は、技術革新を促進し、国際的な水素市場を発展させるための協力覚書(MoC)に署名し、水素に関する協力関係を強化した。両者はすでに、日・EUグリーンアライアンスに示されるように、2050年までに気候変動に左右されない社会を実現し、クリーンエネルギーへの移行を加速させることにコミットしている。この協力は、貿易や投資に対する歪みのない、ルールに基づいた透明性の高い世界的な水素市場の確立を支援するものである。
【本文】
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_22_7322
【排出ガス低減技術】「e-Fuel」の可能性、カーボンニュートラルの切り札となり得るか?
近年、自動車分野でも「内燃機関の脱炭素化」が重要視され始めている。燃料の面から取り組む視点が注目されている。「e-fuel 」は有力な候補で、その利点は、再生可能エネルギー発電によるH2とCO2濃縮を組み合わせることができ、CO2は燃焼過程で放出され、全過程でゼロエミッションである。しかし、e-fuelsの普及には、「エネルギー変換効率の低さ」や「大量生産」という問題を克服する必要がある。
【本文】
https://www.goo-net.com/pit/magazine/parts-information/29815/
【脱炭素技術】「藻類ビジネス」6社は脱炭素のエースとなれるか
2022年9月、新日本製鐵は、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の「炭素循環・次世代火力発電技術開発/CO2ベース有効利用技術開発」において、「CO2を有効利用できる藻類バイオマス生産・利用技術の開発」を提案したことを明らかにした。このたび、このプロジェクトが採択され、現在進行中である。藻類バイオマスを炭素回収技術として実用化することを目指している。
【本文】
https://news.yahoo.co.jp/articles/b866cb09c95ecc1fa5680456b16de54c0b0a690c
【カーボン・トレーディングを理解する】日本とオーストラリアのネット・ゼロの未来が見える
最近、三井物産、三菱商事、大阪ガスエネルギーオセアニアなど、日本企業によるオーストラリアの炭素クレジット取引・生産事業への買収が相次いでいる。三井物産は、炭素クレジットの創出・販売を行うコンサルティング会社クライメートフレンドリーに出資、三菱商事は、オーストラリアの自然共生型炭素クレジットトレーダーであるインテグレートカーボンに40%出資、大阪ガスオセアニアエナジーは、オーストラリアの原生林再生に基づく炭素クレジット関連事業を行うインテグレートカーボンに16.7%出資している。さらに市場の活性化を図るため、2021年にオーストラリア国立大学(ANU)が発表した報告書では、オーストラリアと日本の間で炭素クレジット単位の取引を促進する二国間協定の設立を呼びかけている。これは、両国のさらなる取引活動の確立と、自主的な炭素市場を通じた日豪両国の再生可能エネルギープロジェクトの資金調達能力の向上に向けた大きな一歩となるだろう。
【本文】
https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=6326fc36-ac00-4d0a-a8df-45471636e2c
【脱炭素技術】トヨタモーターヨーロッパ、2040年のカーボンニュートラル達成に向け始動
先週開催されたトヨタモーターヨーロッパ(TME)の年次イベント「Kenshiki」では、同社のグローバルおよびヨーロッパの役員チームが、同社の最新動向、ビジョンや技術戦略の概要、最新の製品・サービスなどを紹介した。トヨタモーターヨーロッパのCEOとEVPは、2030年までにヨーロッパの全生産拠点をカーボンニュートラルにし、上流の供給と物流のカーボンニュートラル化を推進するという同社の方向性と目標について説明した。