ニュース
グリーンファイナンス
12月20日の日本メディアによると、政府は「GX経済再生債」(仮称)の発行額を5000億円程度に調整したようである。政府は今後10年間で150兆円以上の政府・民間投資を目指すとし、このうち20兆円をこの債券で調達する予定である。初期投資を支援し、ゼロ・カーボン社会の構想を推進するのが狙いである。
【本文】
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122000573&g=eco
カーボンニュートラル
中日カーボンニュートラルフォーラムは、上海社会科学院と三菱商事の共催で、「中日間のカーボンニュートラルに関する相互学習」をテーマに開催され、中国と日本の専門家、学者、企業関係者が参加した。上海社会科学院の王徳中院長は、このフォーラムは、研究と交流における中日協力を強化し、カーボンニュートラル移行における両国の協力の機会を探ることを目的としたものである、と述べた。双方の専門家は、気候変動が両国の最優先協力課題の一つであることを認め、中日カーボンニュートラル協力は広い展望と遠大な意義を持つことを指摘した。三菱商事(中国)有限公司の中塚純一郎会長兼総経理は、2020年から30年にかけてGX(グリーントランスフォーメーション)に2兆円を投資すると述べた。一方、日中経済協会上海事務所長の笹原信は、パンデミックによって中断された両国の省エネ・環境保護に関する包括的フォーラムは年末に再開すると述べた。
【本文】
https://www.chinadaily.com.cn/a/202212/13/WS63981bfca31057c47eba42ae.html
https://www.afpbb.com/articles/-/3443374
省エネ技術
トヨタ自動車は、タイのカーボンニュートラル実現に向け、タイの財閥チャルーンポックパングループと、農業廃棄物からの水素製造と燃料電池トラック導入で協力すると発表した。トヨタによると、CPが導入を計画している燃料電池トラックは、農業廃棄物から発生するバイオガスから取り出せる水素が動力源となる。また、両社はコネクティビティ技術を活用し、タイの物流をよりエネルギー効率の高いものにするための検討を行う。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/12/15/business/corporate-business/toyota-thailand-carbon/
炭素回収
ワイオミング州、日本石炭エネルギーセンター(JCOAL)、川崎重工業(KHI)は、ワイオミング統合試験センターで実施する炭素回収試験プロジェクトの推進に関する覚書に調印した。この覚書は、ワイオミング州の統合試験センター(ITC)で、JCOALと川崎重工が共同で「新規固体吸着剤による炭素回収技術」の試験プロジェクトを実施する意向を示すもので、ワイオミング州は、JCOALと川崎重工の共同プロジェクトに参加している。KHIは、2018年からこの試験の計画・設計段階に入っている。現在、プロジェクトは建設段階に移行し、2021年にKHIがITCに常駐する予定である。
原子力政策
大阪地裁は12日、運転開始から45年を経過した原子炉の運転継続を認める判決を出し、安全上の理由から運転停止を求めた住民の要求を退けた。この判決は、40年以上にわたって運転されてきた原子炉の安全性に関して初めてのものである。
観点
グリーン・トランスフォーメーション 【MONOist】
2022年12月9日、アナプラン・ジャパンは、クラウド型ビジネスプロトコル「Anaplan」のグリーントランスフォーメーションの最新事例を紹介する、オンライン・オフライン同時開催のメディアラウンドテーブルを開催した。Anaplanは、Excelの基本操作を高付加価値化し、分析の自動化・効率化を実現し、経営戦略の高精度な予測支援を行っている。また、旭化成株式会社では、社内のカーボンプライシングや予算編成による温室効果ガス排出の抑制方法についてよく尋ねられるため、経営判断に役立つカーボンフットプリント可視化システムを構築している。
【本文】
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2212/16/news060.html
脱炭素アプリ 【PRTIMES】
“アルコイン “は、毎日の通学や通勤、外出先でコインを貯めることができるスマートフォンアプリである。歩きながらアプリが自動的に歩数をカウントするため、余計な手間をかけずに簡単にコインを獲得することができる。アルコインを使って二酸化炭素排出量の削減を可視化することで、真に持続可能な社会を実現するための「持続可能な開発目標(SDGs)」をより身近に感じてもらうことができる。
【本文】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000093190.html
気候政策 【ジャパンタイムズ】
気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)がモントリオールで開催され、研究者や政府関係者は、地球の生物多様性への害を阻止・回復するための新しい国際協定は、世界の気候変動対策能力を高める上で重要な役割を果たす可能性もあると述べた。この協定には、2030年までに劣化した土地、内陸水域、沿岸・海洋生態系の少なくとも30%を回復させるという目標が含まれている。国連は、世界の生態系を回復するための最優先事項を発表するために10のフラッグシッププロジェクトを指名した。しかし、科学者たちは、回復作業は気候や生物多様性に真にプラスとなるよう慎重に計画する必要があり、人々は大きなトレードオフを生み出すかもしれないプロジェクトに注意を払わなければならないと考えている。この目標を達成するために、復元プロジェクトは生態系の植物や動物の構造や機能などを考慮する必要がある。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/12/20/world/cop15-nature-climate-change/
脱炭素技術 【Lincoln Journal Star】
日本が最近カーボンニュートラルの達成から判断すると、日本がバイオエタノールを総合的なエネルギーポートフォリオの重要な一部として注目することは可能である。ネブラスカ産エタノールは、その解決策を提供してきた素晴らしい歴史がある。バイオエタノールがあれば、日本は輸送に伴うCO2排出量を5倍削減できるかもしれない。また、化石燃料への依存度を下げることで、安定したガス価格とエネルギー安全保障を維持することができる。
クリーンエネルギー 【ヤフーファイナンス】
日本は、様々な革新的な方法で水素燃料を使用し始め、急速に主要な水素ハブになりつつある。しかし、これらのプロジェクトの多くは、化石燃料由来の水素に依存し続けており、日本の気候変動目標に悪影響を与える可能性が高い。気候変動目標に沿って水素市場を発展させるために、日本政府は「クリーン水素」の明確な定義を示し、グレー水素やブルー水素とは対照的にグリーン水素の製造を促進し、業界の発展に伴って新しいプロジェクトが再生可能エネルギー技術を業務に組み込めるようにする必要がある。
【本文】
https://finance.yahoo.com/news/next-japan-burgeoning-hydrogen-industry-180000821.html
カーボン・エミッション 【ジャパンタイムズ】
カタールは、カーボンニュートラルなワールドカップの開催を約束したが、環境専門家はその目標に向けたドーハの会計処理に疑問を呈している。カーボンマーケットウォッチは、カタールが大会のために建設した6つの常設スタジアムのフットプリントを8分の1に過小評価しており、二酸化炭素換算で0.2メガトンではなく1.6メガトンになると断言した。また、開催国は大会期間中に運航したフライト数に対する批判にも直面している。そのため、環境保護団体は、今後の世界的なスポーツイベントの開催地を決定する際に、気候変動への影響を前面に押し出すよう求めている。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/12/16/world/greener-sporting-events-qatar/
カーボン フットプリント 【AZO クリーンテック】
気候危機への対策を講じるには、医療セクターの炭素排出量を評価することが重要である。先進国の二酸化炭素排出量のうち、かなりの部分が医療産業に起因している。山本孝則講師率いるチームは、名古屋大学医学部附属病院の二酸化炭素排出量が過去10年間で約27%増加していることを発見した。患者数が少ないほど病院全体の二酸化炭素排出量は少なくなるが、COVID-19の重症度が高いほど1回の入院あたりの二酸化炭素排出量は多くなる。
【本文】
https://www.azocleantech.com/news.aspx?newsID=32732
解釈
【グリーン・トランジション】大みかグリーンネットワークって何?GX地域における脱炭素社会の実現という目標をどのように達成するのか?
日立は2022年6月、サプライチェーンや周辺地域と連携し、バリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現する「大みかグリーンネットワーク」構想を打ち出した。大みかグリーンネットワークの中核となる大みか工場では、これまでIoTを活用した技術やデータ分析を駆使し、ハードウェアやソフトウェアの開発・設計から納入後の運用・保守までをソリューションとして提供し、バリューチェーン全体の最適化を実現してきた。また、日立は、消費電力の見える化やピーク電力削減など、環境に配慮したエネルギーマネジメントに取り組み、電力や鉄道などの重要な社会インフラの安定供給と運用に長年貢献してきた。
【本文】
https://social-innovation.hitachi/ja-jp/article/omika-green-network/
【カーボンニュートラル】加速する脱炭素化~海外日系企業の4割超が取り組み済み
ジェトロが毎年行っている海外日系企業調査の最新結果によると、海外に進出している日系企業の42.4%が「すでに脱炭素化に取り組んでいる」と回答し、2021年度の前回調査結果(33.9%)から8.5ポイント増加した。日本企業の取り組みが進む一方で、多くの企業が様々な課題を抱えている。日本企業では、国や地域を問わず、「従業員の省エネ・削減意識の低さ」「エネルギーや材料の転換に伴うコスト増(再生可能エネルギーは多額の先行投資が必要)」「自社の立地にサプライチェーンがない」など、脱炭素化の取り組みに共通した課題が残っている。
【本文】
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2022/066690ab476b93ef.html
【エネルギーの変遷】東京のソーラーパネル義務化は化石燃料が君臨する国での大きな転換点
東京都は、長年にわたる他地域への依存や化石燃料への依存から脱却し、人口1,400万人の大都市の膨大なエネルギー需要を全く新しい方法で満たすため、都内のエネルギー源をより多く地域資源に転換しようとしている。そのため、東京都は2025年4月から、新築の住宅やビルへの屋上太陽光パネルの設置を義務化し、都民や企業に再生可能エネルギーへの移行を促す予定である。
【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/12/18/national/tokyo-solar-mandate-shift/
【カーボンクレジット】明確な法的枠組みがなければ、ベトナムからのカーボンクレジット購入は難しい
国際森林研究センター・世界農林業研究所の気候変動・エネルギー・低炭素開発チームのディレクターであるPham Thu Thuy氏は、ベトナムで炭素クレジットの購入を希望するエネルギー企業、金融、銀行などの外国企業がいくつかあるが、明確な法的枠組みがないため躊躇していると述べた。事業者が炭素クレジット市場としてベトナムに参入する場合、ベトナム政府からの調整機関が必要であり、その指示を仰ぐ必要がある。しかし、ベトナムには炭素権登録の仕組みも、事業者が検討するための炭素関連プロジェクトのリストもない。天然資源環境省のNguyen Van Minh氏は、2027年までにベトナム環境省は財務省と共に、炭素クレジットと炭素排出枠の交換フロアの確立に関する政策を策定する予定であると述べている。
【グリーン・トランジション】自国に逆風が吹く中、欧州と日本が東南アジア全域で廃棄物発電技術を推進
フィリピン、インドネシア、タイで最近建設された、あるいは建設中、計画中の100以上の廃棄物発電プロジェクトには、ヨーロッパや日本の企業が関わっていることが多い。しかし、グリーン・クレデンシャルをめぐって地元の反対運動が起きている。タイ、インドネシア、フィリピンの主要市場では、焼却が汚染の拡大や地域社会への悪影響、燃料となる化石燃料由来の使い捨てプラスチックの生産を永続させることを懸念する地域社会や環境保護主義者からの反発がある。
【ブルーファイナンス】ウニ養殖会社が昆布で世界初のブルーカーボン・クレジットを獲得
ウニ養殖会社ウルチノミクスが、コンブ養殖場の再生で世界初の自主的なブルーカーボンのクレジットを獲得した。11月21日、ブルーカーボン・クレジットの基準を定める日本の国策研究機関である日本ブルーエコノミー協会(JBE)が、科学的検証を行い、自主的なブルーカーボン・クレジットを認定した。アーキノミクス社CEO兼創業者のブライアン・ツヨシは、当初ブルーカーボンの議論外であったコンブの科学が十分に進み、ブルーカーボンの自主的なクレジットレベルの確実性を満たすことが認められたと述べている。コンブの森のような海洋生態系は、炭素隔離だけでなく、生物多様性、酸素生産、農業排水による過剰窒素の吸収、海洋酸性化の抑制、波浪による浸食からの保護など、多くのコベネフィットに貢献するため、ブルーカーボンはより質の高い炭素クレジットとみなされることが多い。
他のリソース
炭素クレジットレポート
炭素除去量の認証 – 欧州議会
カーボンフットプリントレポート2022 – 日本公認会計士協会
イベント
予告 今後のイベント
1月13日 Webセミナー 明日の交通を支えるインフラを構築する
1月13日 Webセミナー サステナビリティを戦略的ITイニシアティブとして成功させるために
振り返り
12月21日 CCLトレーニング カーボンプライシング入門
【詳細】
https://vimeo.com/783163814
12月20日 地球工学は気候の危機を解決するのか?
【詳細】
https://vimeo.com/782768501