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第六号|カーボンサイファー・脱炭素情報速達

ニュース

省エネ技術

日本政府と企業は、タイのバンコクで初の官民合同会議を開き、燃やしても二酸化炭素を排出しないアンモニアや電気自動車技術などの脱炭素技術を紹介し、東南アジア諸国の二酸化炭素排出量削減を支援する日本の決意を示した。同時に、日本政府は関連産業の発展を支援するための、具体的なプロジェクトを始めたい意向を示している。

【本文】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221020/k10013865411000.html

グリーン投資

近年、日本政府や日本企業は、アジア諸国との交流・投資・協議を通じ、カーボンニュートラルなビジネスの発展を目指し、積極的に参加・協力を進めている。
1. 日タイ両政府は、10月20日にバンコクで、両国の主要企業による脱炭素化分野での協力を促す「第1回日タイ・エネルギー官民ビジネスフォーラム」を開催した。フォーラムには、トヨタ自動車やタイ石油公社(PTT)など約15社が参加し、タイへの水素エネルギーや電気自動車の導入について意見交換した。このほか、日本は火力発電所の効率化など低炭素化技術の提供を通じて、緩やかなエネルギー転換を支援していく意向を示している。
2. 日本とスリランカは10月10日、大統領事務局において、低炭素成長パートナーシップのための共同クレジット制度(JCM)に関する協力覚書に署名した。
3. 国際協力機構(JICA)は、インドにおける民間プロジェクトへの参加を拡大する計画であり、今後数年間で民間プロジェクトへのグローバル投資を150億ドルに拡大することを検討している。

【本文】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS19BDN0Z11C22A0000000/
https://www.newsfirst.lk/2022/10/10/mou-inked-with-japan-for-low-carbon-growth/
https://www.livemint.com/industry/infrastructure/japans-jica-looks-to-step-up-investments-in-private-sector-projects-in-india-11666121474657.html

環境&政策

国際旅客便の二酸化炭素排出量をネットゼロにするという、新たな目標が設定され、日本の航空会社は二酸化炭素排出量削減への取り組みを進めている。国際民間航空機関は、早ければ2024年までに国際線からの二酸化炭素排出量を2019年比で15%削減することを提案した。この新たな世界目標を達成するため、日本の航空会社はより燃費の良い航空機を導入し、航空機の運用を効率化しようとしている。また、目標達成のために排出権取引も活用する予定である。

【本文】
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20221017_33/

グリーン投資

アジア諸国では、経済成長に伴い、エネルギー需要が急激に増えている。一方で、各国は、世界各地で洪水や干ばつ、高温が発生するなど、気候変動の影響に悩まされてる。アジアにおける化石燃料優位のエネルギー構成の問題に対し、アジア開発銀行(ADB)は、先進国からの補助金と民間資金を統合し、早期の脱炭素化を実現することを計画している。「グリーン水素エネルギー」の応用が徐々に進むことで、アジアのエネルギー構成が大きく改善されることが期待されている。3,900兆円から5,500兆円の大規模投資が必要なため、11月にエジプトで開催される第27回国連気候変動会議での資金調達に関する議論は重要になってくる。

【本文】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB160SH0W2A011C2000000/

観点

カーボンアカウンティング&可視化

キヤノン株式会社では、1990年代末から製品のライフサイクルアセスメント(LCA)の調査を開始しました。研究者がサプライチェーンについて試算したところ、スコープ3の炭素排出量が全体の約60%を占め、残りの30%程度は原材料の調達からで、工場の排出量は3%程度に過ぎないという、驚くべき結果が出たようである。ここからキヤノンは、「見える化」の重要性を認識し、二酸化炭素排出量を可視化することで、省エネ・排出量削減の取り組みの方向性を明確にすることが実現したのである。これにより、同社の研究開発、物流、工場、調達、営業がそれぞれの役割と課題を持ちながら、同じ目標に向かって進んでいくことができるようになった。

【本文】
https://www.amita-oshiete.jp/voice/entry/016065.php?site=hl18825381

省エネ技術

国際環境NGO「Friends of the Earth(FoE)」は、アンモニアと水素の使用は二酸化炭素排出量の削減に役立たないと警告している。第一に、どちらも燃やすと二酸化炭素を発生させないが、アンモニアと水素の製造過程で二酸化炭素が排出される。第二に、既存の燃料よりも高価であり、大規模な商業的サプライチェーンが整備されていない。また、日本政府が計画しているアンモニアによる石炭火力発電の二酸化炭素排出削減も、排出削減への貢献度が極めて低いだけでなく、石炭火力発電の段階的廃止という考えとも矛盾しており、実現不可能な技術である。最後に、水素やアンモニアの利用は国際的に認知されていない。

【本文】
https://news.yahoo.co.jp/articles/c03996cd7a4a1a48e9c08f0527588b6735b77bc1

グリーン・ファイナンス 【Jean Rogers】

プライベート・エクイティや不動産投資を手がける米国の大手投資ファンド、ブラックストーン・グループは、転換期にある産業に高い成長の可能性を見出し、今後10年間で1000億ドルの投資機会があると予想している。投資先企業にとっては、エネルギー効率化によって営業コストを削減することができ、脱炭素化に取り組む企業は株式公開の過程で高い評価を得ることも可能で、不動産においては、低炭素またはゼロ炭素排出のビルが資産として選ばれることになるでしょう。Blackstone グループは、リスク、準備、レジリエンスの3つの観点から投資に関するデューデリジェンスを実施しており、その中でESGは重要な役割を果たしており、企業の潜在能力の実現を支援する機会として捉えることができる。ISSBは、公開市場における情報開示を標準化するための道程を打ち出している。統一された厳密で比較可能な基準は、投資にとって大きな利益をもたらすでしょう。

【本文】
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00004/101300021/

グリーン・エコノミー 【Stéfan Le Dû】

日本は、2030年の国連持続可能な開発目標に向けた年次指標で順位を落とし、世界の持続可能性ランキングで遅れをとってきた。しかし、国際的な投資家がNGOや地方自治体とともに株主の気候変動対策に取り組んでいることから、この状況は変わろうとしているのかもしれない。日本の金融規制は、このような取り組みを促進するために、すでに気候変動リスクの開示義務化と投資家向け英文報告書の義務化という、さらなるステップを踏み出した。この2つの変更により、海外の投資家や活動家は、どの日本企業が気候変動リスクに最もさらされているか、またどの企業の脱炭素化計画が信頼に足るものか、より容易に把握することができるようになる。

【本文】
https://www.energymonitor.ai/finance/corporate-strategy/the-tortoise-and-the-hare-how-shareholder-activism-can-help-japan-inc-catch-up-in-the-race-to-net-zero

気候変動&政策 【Eric Johnston】

岸田首相のグリーントランスフォーメーション戦略は、再生可能エネルギーの拡大や従来型原子力発電所の再稼働だけでなく、小型原子炉や炭素回収・貯留などの新技術も提案している。グリーントランスフォーメーションは、2030年の日本のエネルギーミックス目標の達成を基本としており、2030年までに日本の総エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合を36%から38%に、原子力を20%から22%にする予定である。岸田氏のグリーン計画は前任者とは異なるが、将来の技術開発に依存しすぎていると警告する専門家からの批判に依然として直面している。

【本文】
https://www.japantimes.co.jp/news/2022/10/19/national/kishida-government-climate-policy-continuation/

解釈

【グリーントランスフォーメーション】中堅製造業におけるカーボンニュートラルの実態と、カーボンニュートラルを支えるデジタルトランスフォーメーション(DX)の真の価値

自動車産業向けの金属加工製品を扱う旭鉄工株式会社は、中堅製造業の中でもいち早くカーボンニュートラルに向けたさまざまな取り組みを行ってきた企業である。同社は近年、IoT(Internet of Things)を活用した生産可視化ツールを独自に開発し、その導入により生産能力を大幅に向上させた。同社では、生産現場で発生するさまざまなデータを集約し、「原単位・原単位平均排出量推移表」「生産量排出量」「生産重量・消費電力」などのグラフをダッシュボードに表示し、「CO2排出量の可視化・表示」に社内で取り組んでいる。

【本文】
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2210/07/news007.html

【炭素関税】EUの国境を越えた炭素税の課題に対応するには、アジア諸国の経済力が欠けている

EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)は、早ければ2023年に導入され、欧州企業は輸入品の排出量報告を開始しなければならない。アジア諸国については、排出量取引の枠組みを導入する時間はまだあるかもしれないが、サプライチェーンの脱炭素化にはまだ何年もかかる可能性がある。CBAMについては、多くの専門家が懸念を表明している。EUの一方的なCBAMは、国際貿易を歪めるだけでなく、気候変動への対応の負担を途上国に転嫁することになるとの主張もある。

【本文】
https://www.spglobal.com/commodityinsights/en/market-insights/latest-news/energy-transition/101822-asian-economies-ill-equipped-to-meet-eu-cross-border-carbon-tax-challenge

【省エネ技術】東芝グループ、COP27ジャパンパビリオンで脱炭素化技術に注目

株式会社東芝と東芝エネルギーシステム&ソリューション株式会社は、第27回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)の併設展示会「ジャパンパビリオン」において、脱炭素化を進める技術イノベーションを展示する予定である。1つ目の展示は、特にCO2排出量の削減が困難な産業において、CO2を有価物に変換することができる技術である。もうひとつは、化石燃料のエンジンを超電導モーターに置き換えて大型モビリティの動力源とし、ゼロエミッションを後押しすることを目指す「超電導モーター」である。

【本文】
https://en.prnasia.com/releases/apac/toshiba-group-decarbonization-technologies-in-the-spotlight-at-cop27-japan-pavilion-379590.shtml

【脱炭素化】企業がカーボンフットプリントデータを共有化

Scope3排出量(原材料調達から最終処分までの製品のカーボンフットプリント)の算出に注力する日本企業が増えている。住友化学は、ポリエチレンや合成ゴムなど2万点の製品のカーボンフットプリントを算出するシステムを開発している。現在、このシステムを他社に無償で提供することを始めた。これまでに約50社のメーカーが導入しており、その多くは化学メーカーである。住友化学の當間正明は「システムを導入することで、製造工程でより多くの二酸化炭素を削減することができ、企業の競争力強化につながる」と考えている。

【本文】
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20221018_22/

他のリソース

中国とEUにおけるグリーンファイナンス:協力の出発点 – エネルギーとエネルギー効率に関する中独協力

【本文】
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwix0YL7kPH6AhVphVYBHYGCBd8QFnoECBQQAQ&url=https%3A%2F%2Fwww.energypartnership.cn%2Ffileadmin%2Fuser_upload%2Fchina%2Fmedia_elements%2Fpublications%2F2022%2FGIZ_China_Energy_Magazine_02.2022_No.11.pdf&usg=AOvVaw0eqL9bVfKZ3BAJ3F7somib

香港上場企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)レポート調査(2022年) – プライスウォーターハウスクーパース

【本文】
https://www.pwccn.com/zh/issues-based/esg/research-report-sustainable-development-trend-hk-listed-companies-jun2022-new.pdf

カーボン・ニュートラル・エネルギー関連技術-工学技術研究所(IET)

【本文】
https://www.theiet.org/media/9032/energy-technologies-for-net-zero.pdf

イベント

予告 今後のイベント

11月16日 Webinar 脱炭素化に向けた水素エネルギ・eFuelの可能性と課題

【詳細】
https://response.jp/article/2022/10/20/363122.html

10/31 Webinar COP15 -「自然のためのパリ・モーメント」:金融は乗り気なのか?

【詳細】
https://www.brighttalk.com/webcast/17290/559568?utm_source=brighttalk-promoted&utm_medium=web&utm_campaign=knowledge-feed&utm_term=smart-feed-result-6

11月2日 Webinar 気候変動への投資の進化

【詳細】
https://www.brighttalk.com/webcast/2163/561641?utm_source=brighttalk-portal&utm_medium=web&utm_campaign=channel-feed

振り返り

10月10日 Webinar ドバイ、2050年に向けた野心的なクリーンエネルギー戦略を発表

【詳細】
https://www.brighttalk.com/webcast/16049/546294?utm_source=brighttalk-promoted&utm_medium=web&utm_campaign=knowledge-feed&utm_term=smart-feed-result-3

10月19日 Webinar 交通量と地理空間データから世界の空港のカーボンフットプリントを推計する

【詳細】
https://www.brighttalk.com/webcast/2163/559939?utm_source=brighttalk-portal&utm_medium=web&utm_campaign=knowledge-feed&utm_term=channel-feed-result-1

6月24日 Webinar ESGプログラムに灯りをともそう

【詳細】
https://www.brighttalk.com/webcast/19471/546832?utm_source=brighttalk-portal&utm_medium=web&utm_campaign=player-page-feed

10月26日 カーボンニュートラル 2050年への経済戦略~国内外の最新動向・企業変革のシナリオとは

【詳細】
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000121.000015233&g=prt