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スコープ1とは?スコープ1において脱炭素化のためにできることを解説!

昨今では、企業が社会的責任を果たし、投資家へ環境変配慮をしていることをアピールするためにも、企業自身が自らの温室効果ガスの排出量を求め、削減していくことが必要になっています。

その中、GHGプロトコルというガイドラインに則って企業の温室効果ガス排出量を数値として可視化していこう、ということが国際的に実施されています。

この記事では、そのGHGプロトコルの中で出てくるスコープ1という概念についてご紹介します。

下の図の中で、スコープ2とともに自社から排出される部分に当たります。

そもそもGHGとは何?といったような疑問をお持ちの方は、以下の記事をご覧ください。

スコープ1とは?

まず、Scope 1(スコープ1)とはGHGプロトコルの中で用いられている概念のことです。

ここでは、企業や組織が直接的に排出する温室効果ガス(GHG)の量が対象なります。例えば、自社所有の自動車が使用するガソリンや、自社設備で使用する都市ガスといったものが算定の対象となります。

これらの使用量を納入伝票などから把握し、年間消費量を算出していくことになります。

スコープ1の排出量は、企業が自らの施設や設備の運営に関与していることが多いため、他の算定範囲より比較的容易に算定することが可能です。

それに加えて、スコープ1における排出量は企業自身の努力によって削減できるため、持続可能性目標の達成やコスト削減の手段として取り組みやすい分野と言えるでしょう。

スコープ1におけるGHG排出量の算定式

スコープ1で算定の対象となるものは、企業が直接的に排出するGHGの量でした。その排出量は次の式に基づいて算出されます。

スコープ1排出量 = 「燃料の使用量 」× 「燃料の燃焼による排出係数」

燃料の使用量は、企業や組織が使用した燃料の量を指します。一般的に、燃料の使用量はエネルギーメーターや燃料請求書から取得できるため、日頃から使った燃料種、使用料を記録しておくことが肝要です。

燃料の燃焼による排出係数は、使用した燃料の種類によって異なります。これらの係数は、国際的な温室効果ガスの計測基準やガイドラインに基づいて提供されています。

例えば、メジャーな燃料種であるガソリンには1KLあたり2,32tという排出係数が与えられています。これは即ち、「1KLあたり2,32tの温室効果ガスを排出しますよ」ということを意味しています。そのため、仮にガソリンを100KL使用したとすると

 2,32×100=232

つまり、232tの温室効果ガスを排出したことになるのです。

その他の燃料種の排出係数など、詳しい数値を知りたい方はこちらへ

なお、弊社が提供するサービスでは燃料種ごとに排出係数が紐づけられており、燃料種が分かれば、逐一ガイドライン等を参照する必要はありません。

スコープ1におけるGHG排出量を削減するためのコツ

スコープ1のGHG排出量は、先ほどからご紹介しているように、測定や管理が比較的容易かつ直接的で即効性があることから、GHG排出量を削減する際に企業が最初に取り組むべき部分とも言えます。

そのようなスコープ1におけるGHG排出量削減について、いくつかの方法をご紹介します。

1、エネルギー効率の向上                                  

エネルギー使用の最適化を図り、省エネルギー技術や効率的なプロセスを導入することで、GHG排出を減らすことができます。

例えば、エネルギー効率の高い機器や照明の使用、断熱改善、製造プロセスの最適化などが挙げられます。                                 

2、再生可能エネルギーの利用

再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力など)を活用することで、化石燃料に依存せずに電力を供給できます。

自社の施設に太陽光パネルや風力発電装置を設置する、再生可能エネルギーへの切り替えを検討するといったことが挙げられます。                                        

3、排出物の削減

GHGの排出源となる物質やプロセスを見直し、排出量を削減します。

具体的には、排出ガスや廃棄物の処理方法の改善、排ガス浄化装置の導入、温室効果ガスの漏れを防ぐためのリーク検出システムの導入などが挙げられます。                                 

4、温室効果ガスの捕捉と利用 

捕捉技術や利用技術を導入することで、排出量の削減やGHGの再利用が可能となります。例えば、二酸化炭素の地中貯留や再利用、バイオマスエネルギーの利用などがあります。

これらの対策は、企業や組織がスコープ1のGHG排出量を削減するための具体的な手段です。ただし、温室効果ガスの削減には継続的な取り組みと評価が必要です。そのため弊社では、年次で企業のGHG排出量の可視化を行い、継続的に管理できるサービスを提供しております。

まとめ

今回はスコープ1での脱炭素化に向けた取り組みなどをご紹介しました。冒頭でも取り上げた通り、スコープ1でGHG排出量を削減することは、他社との関係が少ない分、他の分野と比べて比較的取り組みやすいです。

自社のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を算定することは、簡単そうに見えても実際に算出してみようとすると大変なものです。

しかし、そのことは同時に企業に求められている社会的な責任であり、その企業の将来性を左右するものとも言えます。

そのため、弊社では企業の温室効果ガス排出量を算定・可視化し、その結果をもとに具体的な温室効果ガス排出量削減案を提案させていただいております。

自社の温室効果ガス排出量を知りたいけど、何から始めればいいかわからない、という場合にはぜひご相談ください。